車のサブスクは申し込みを行うときに、契約が可能であるかの審査があります。

クレジットカードやローンの返済の遅延が原因で金融機関のブラックリストに掲載されてしまっている場合は車のサブスクを利用することができるのでしょうか?

今回は車のサブスクの契約とブラックリストの関係性について触れながら、審査基準、審査を通りやすくするポイントについて解説します。

ブラックリストとは?

ブラックリストとは、クレジットカードの支払いやローンの返済、携帯電話料金の支払い、公共料金の支払いなど、一定期間滞納や自己破産した場合に、信用情報機関に金融事故情報として登録されることです。

ローン会社やクレジットカード会社は、信用情報機関を通じて新規契約の際にこの金融事故情報を参照します。そのため、金融事故情報が信用情報機関に登録されることを「ブラックリスト」と呼んでいます。

ブラックリストに掲載されてしまう理由

ブラックリストに載る可能性のある主な金融事故は、次の通りになります。

  • 長期延滞:61日以上、または3ヶ月以上の支払延滞
  • 代位弁済:返済不能により保証債務の弁済を受けた
  • 強制解約:長期延滞や契約違反により、強制的に契約を解除された
  • 債務の整理:返済額の減額や支払期間の調整を行ったもの
  • 自己破産:自己破産(破産手続開始決定がなされたものを含む)を行った

携帯電話をローンで購入した場合、支払いが遅れたり、支払い不能で強制解約されたりすると、ブラックリストに掲載されます。

携帯電話料金の支払いに注意する。スマートフォンの代金を携帯電話料金と同時に支払っている場合、料金の支払いが遅れると通常の分割払いの支払い遅れと同じになります。

ブラックリストに掲載されるとどうなる?

ブラックリスト(信用情報機関の金融事故情報)では、氏名、生年月日、住所などの金融事故に関する情報が登録されます。そして、これらの情報は、各金融機関が新規契約を行う際に参照されますので、事故情報が登録されると、借り手の返済能力に疑問があると判断されることが多いです。

つまり、クレジットカードの新規契約が難しくなったり、ローン契約に大きな制約が生じたりするのです。

信用情報機関には、「全国銀行個人信用情報センター」「日本信用情報機構」「CIC」の3つがあります。自分の信用情報が気になる方は、これらの機関に開示請求(有料)することで、ブラックリストに載っていないかどうか確認することができます。

車のサブスク(カーリース)の審査基準

審査と言うとカードローンや住宅ローンなど、「お金を借りるときに受けるもの」というイメージがあるのではないでしょうか?

しかし、車のサブスクはお金ではなく車を借りるサービスなのです。お金を借りるわけでもないのに、なぜ審査が必要なのでしょうか?理由はリースというサービスが「金融取引」に該当するからです。

リース契約期間も1年単位と長いため、リース料を支払い続ける能力があるかどうかの事前審査が必要です。

そこで、過去の信用情報、年齢、職業、年収などの審査により、毎月の支払いを滞りなく行えるかどうかを判断する仕組みになっています。

基本的に車のサブスクの審査では、申込者の年齢、家族構成、年収、職業、勤続年数、雇用形態、保有資産(住宅など)、信用情報、債務履歴(過去の借入額や支払い状況)、債務状況(現在のローン支払い状況など)が審査対象になります。重要なのは、その人の収入と支出が、リース料を支払うことで収支のバランスが取れるかどうかというところです。

車のサブスクの審査はキャッシングローンよりも通りやすい?

車のサブスクは、月々の料金を支払いながら、一定期間車を借りるサービスです。一方、キャッシングローンは、一時的に借りたお金で車を購入するものです。

費用の継続的な支払いは同じですが、車のサブスクはお金を借りない分、キャッシングローンと比較して、審査が通りやすい傾向にあります。

車のサブスクは総量規制の対象外になりますので、借入に対する規制が緩いです。

総量規制とは、主にキャッシングローンの場合、年収の3分の1以上の借入ができないようにする規制のことです。つまり、金融会社による過剰な融資を防止するためのものです。車のサブスクは、上述の規制の対象外になっているため、審査に通りやすくなっています。

また、リース車は担保となるため、キャッシングローンと比較して審査が通りやすくなっています。

ユーザーが毎月の支払いを行わない場合、車のサブスクサービスを提供しているリース会社はリース車両を回収することができます。

定期的なメンテナンスが頻繁に行われ、車が良い状態に保たれているため、リース車は担保という形で価値があるというわけです。

審査を通過するためのポイント

収入と支出のバランスをチェックする

収入と支出のバランスは、現在の収入や年収に見合っていないと審査に通らない場合があります。

1年間の総支払額が年収の30%をオーバーしてしまうというような車種につきましては、申し込まない方が良いと言えます。

信用情報機関を確認する

信用情報機関に信用情報の開示を依頼し、支払いの延滞やブラックリストの有無などを確認しましょう。

虚偽の申告をしない

審査に通るために、正確な情報を記入することは禁じられています。

虚偽の申告をした場合、最悪の場合、高額な賠償金を請求される可能性があります。

ブラックリスト掲載者でも、車のサブスクの審査を通過するための方法

ブラックリストに載っている場合、銀行系ローンは受けることが出来ないと考えた方が良いでしょう。ただし、ディーラーローンや自社ローンに関しましては、可能性がゼロではありません。

料金を滞納している人は完済をする

料金の滞納でブラックリストに載ってしまったら、まずは完済することが最優先です。信用情報機関には、現在も滞納しているかどうか、すでに支払いをしているかどうかなどの情報も掲載されています。

借入金額はできるだけ少なくする

借入額が少ないほど審査に通りやすくなりますので、あまり高くない車や中古車を選び、頭金もなるべく多く用意しましょう。

ブラックリストがリセットされるまで待つ

ブラックリストは一度掲載されても、一定期間でリセットされます。一般的に、情報が消えるのはローン完済後5〜10年後と言われていますので、その期間を待ってローンを申し込むことをおすすめします。

ブラックリストの掲載以外で車のサブスクの審査に落ちやすい人の特徴

最後にブラックリストに掲載されているという理由以外で、契約時の審査に落ちてしまう可能性のある人の特徴をご紹介します。

  • 年収が低い、もしくは不安定な人
  • 年収に対して月額料金が高めの高級車に申し込んでいる人
  • 多額の借金を抱えている人

年収が低い、もしくは不安定な人

年収が低い、もしくは不安定な人は「返済能力がない」と判断され、審査落ちの原因になります。

年収が低いという基準は、一般的に年収200万円以下の人が該当すると思われますが、安定した収入のある人を連帯保証人にすることで、審査に通過する可能性は十分にあります。

年収に対してリース料が高い車に申し込んでいる人

年収に対してリース料が高額なケースでは、審査に通らない可能性があります。具体的な指標としては、1年間のリース料総額が年収の30%以上であれば、審査に通過する可能性は下がります。

車のサブスクは、月々の負担が少なく車に乗れるというメリットがありますが、審査に通らなければ車を使うことができません。

多額の借金を抱えている人

次の様な多重債務者の場合、審査に通過するのは難しいでしょう。

  • 年収と比較してクレジットカードのリボの残債が高額である人
  • 複数台の携帯や商品等を分割払いで購入している人

年収の3分の1以上のリボの残債が残存している場合、審査で不利になる可能性が高いです。

ブラックリスト掲載者は車のサブスクを契約前に審査基準の確認を

車のサブスクはブラックリスト掲載者でも契約できる?審査基準とは?などについてご紹介しました。

車のサブスクに不安をお持ちの方は、信用情報を改善する努力をする、自社ローンを活用する、中古車の購入に留意するなどの選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

過去の支払い遅延などからブラックリストに掲載されてしまっている方や、掲載されている可能性のある方は、車のサブスクを申し込む際に相談することをおすすめします。