カーローンや車のサブスクでの毎月の支払い額を減らすときに重要な「残価」ですが、残価はさまざまな方法で用いられるため、しっかりと残価の意味を理解しておくことがお得に車に乗るためには必要なのです。
しかし、そもそも残価の意味が分からないという方や、残クレと車のサブスクの残価の扱いの違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では残クレについて、車のサブスクとの違いやメリット、デメリットをご紹介していきます。
残クレのメリットやデメリットについてもご紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
残クレと車サブスクの残価とは?
車のサブスクと残価クレジットの両方に「残価」が設定されている共通点がありますが、実はそれぞれ支払い方法は大きく異なっているのです。
車のサブスクの残価設定と残クレの特徴について、それぞれの特徴を比較してご紹介していきます。
残価(残存価値)って何?
残価(残存価値)とは、車の契約した時点で想定できる将来売却するときの下取り額のことです。
普通乗用車の場合、一般的に車を走行させていると新車登録から3年後には車の残価は購入時の1/3ほどの下がると言われているため、ある程度の残価の予想をすることは可能ですが、走行距離やカスタマイズの有無、キズ・凹み、車種の人気などによって実際の下取りがくは大きく変動します。
つまり、残価はあくまで想定される下取り金額として扱われるため、実際にどれくらいの残価が残るかどうかは下取りに出してみないと分からないのです。
残クレ(残価クレジット)の意味
残クレ(残価クレジット)の正式名称は「残価設定型クレジット」で、「残価設定ローン」と呼ぶこともあるカーローンのひとつの方法です。
残クレを用いてカーローンを組んだ場合は、車の残価をローン返済まで据え置いて計算されるため、実際に月々の支払いで返済する金額は車両本体代から残価を差し引いた金額が分割された金額になります。
つまり、車両本体費用全体をカーローンで返済するよりも、残価を設定する残クレで返済した方が月々の支払い額を減らすことができるのです。
ただし、実際に下取りに出したときに残価よりも下回ってしまった金額は、残価精算する必要があるため注意が必要になります。
車サブスクの残価設定とはどういう意味?
車のサブスクでは、車両本体代が月額料金に含まれますが、この車両本体代は基本的に残価を差し引いた金額になります。
また、車のサブスクには、契約者に残価を公開して月額料金を安くする代わりに契約満了時に残価精算をする必要のある「オープンエンド方式」と、残価を設定するものの契約者には残価を公開せずにサブスク会社が残価精算を行う「クローズドエンド方式」という2つの契約方法がありますが、いずれの方法であっても残価を設定することになるのです。
つまり、車のサブスクの月額料金を決める大きな要因のひとつとなっているのが残価ということになります。
残クレと車サブスクの残価の違い
残クレと車のサブスクの残価の違いは下記の2つです。
- 月額料金に含まれる項目が異なる
- 残価が保証されているかどうか
それぞれの残価の残価の違いについて詳しくご紹介していきます。
月額料金に含まれる項目が異なる
残クレと車のサブスクの残価は、車の下取り金額を想定するという点では同じですが、月々に支払う金額に含まれている内容が大きく異なります。
残クレの毎月の支払い額に含まれているのは、車両価格・諸費用・分割払い手数料の3項目のみとなりますが、車のサブスクの月額料金には車両価格・諸費用・各種税金・自賠責保険料といった車に乗るために欠かせない項目に加えて、サービスによっては車検費用やメンテナンス費用が含まれているのです。
つまり、残クレを利用する場合は別途で各種税金や自賠責保険などの費用を支払う必要がありますが、車のサブスクであれば別途で支払う必要がありません。
残価が保証されているかどうか
残クレでは、契約するときに設定された残価の価格が保証されていますが、車のサブスクでは残価の保証はされていません。
残価の保証がされていると、契約満了時に残価より下取り金額が下回ることはありませんが、残価が保証されていないと残価よりも下取り金額が下回った場合は残価精算を行うことが必要になるのです。
もちろん、残クレと車のサブスクの両方で残価が下回らないように走行距離制限やカスタマイズ制限などの制限がされていますが、キズや凹みなどをつけてしまうと急激に車の価値が下がってしまうので注意しましょう。
車サブスクではなく、残クレ(残価クレジット)を選ぶメリット
残クレを選ぶメリットは下記の3つです。
・下取り価格が保証される
・新車の乗り換えやすい
・中古車にも適用できる
それぞれのメリットについて詳しくご紹介していきます。
下取り価格が保証される
車の残価は新車登録からの期間に応じて年々下がっていきますが、残クレを利用することで契約した時点でも下取り価格が保証されるため、設定した残価よりも低い金額で下取りをされる心配がありません。
ただし、残クレの下取り保証には条件があるため、事故などを起こしてしまうと下取り金額が保証されないだけではなく、残価精算として追加費用が発生してしまうことがあります。
新車の乗り換えやすい
一般的に残クレは3年〜5年程度の短期契約で利用されることが多いため、残クレを利用して数年ごとに新車に乗り換えることがしやすくなります。
事故などのトラブルを起こさなければ、下取り金額の予想がしやすいため、新車の購入に向けて計画的に貯蓄することもできるでしょう。
中古車にも適用できる
残クレは新車購入時だけではなく、中古車を購入するときにも適用できるローン制度となっています。
中古車の場合は購入時の車両本体価格が下がっている状態であるため、新車に比べると残価は低く想定されますが、月々の支払額は新車に比べて安く抑えることが可能です。
車サブスクではなく、残クレ(残価クレジット)を選ぶデメリット
残クレを選ぶデメリットは下記の3つです。
- 利息が高額になりやすい
- 車の使用が制限される
- 別のメーカーに乗り換えることができない
それぞれのデメリットについて詳しくご紹介していきます。
利息が高額になりやすい
残クレでは、月々の返済額だけではなく、設定した残価にも金利がかかってしまうため、一般的なカーローンに比べて高額な利息が発生しやすくなります。
中には一般的なカーローンよりも残クレのほうが金利を低く設定している会社もありますが、最終的な金利の合計金額は一般的なカーローンのほうが安くなるということも珍しくないため、利息の総額で判断することが大切です。
車の使用が制限される
残クレを設定すると、想定した残価よりも下回らないようにするために走行距離の制限やカスタマイズの制限など、車の使用が制限されることが多いです。
カスタマイズをしてしまったり、走行距離制限を超過して運転してしまうと、残価よりも下回った金額で下取りされてしまうだけではなく、契約違反として違約金や高額な残価精算が必要になる場合があるため、契約条件をよく確認することが大切になります。
別のメーカーに乗り換えることができない
残クレを利用した車を下取りに出した後の選択肢として「乗り換え」を選択した場合、前回車を購入したディーラーと同じメーカーの車しか選ぶことができません。
もし別のメーカーに乗り換えたいという場合は、残価を一括で精算して車を一度買い取ってから売却することが必要になるため、無駄な費用と手間が発生してしまいます。
つまり、メーカーにこだわりがある方は残クレを利用するときは特に注意が必要なのです。
車サブスクと残クレは自分に合った支払い方法を選ぼう
今回は残クレについて、車のサブスクとの違いやメリット、デメリットをご紹介していきました。
残クレと車のサブスクの両方で残価が扱われていますが、それぞれの残価の扱いや支払い金額の内訳が大きく異なっているため、同じく残価が用いられていたとしても同じサービスと考えるのは危険です。
どちらも毎月の支払い額を減らすことはできますが、それぞれのメリット・デメリットを理解して自分に合った方法で車を選ぶようにしましょう。